クラスに入るとそこはまるで潮を囲むように皆が集まってくるパーティーみたいだ。

“生きる世界さえ変わってしまいそうだ”

そう思うことも初めてではない。

潮の笑っている顔が、太陽の光で輝いて見える。
『何?皆にとられたみたいで、悔しい?』
驚いて声の方に振り向く。

『如月先生』
如月夏希。
この学校の保健室の先生。
いつも淕をからかってくる。面白い先生だ。

『いえ、別に』

『そう、でも今あなたの顔に悔しいって書いてあったわよ』

図星だった。
口ごもって頭をかく。

『成田くん、あの事、青野さんに話した?』

『いえ、まだです』

『早くいってあげなくちゃ。いずれわかることだし。あなたと青野さんのために』

『はい』