『この並木道、大好きなんだ。ほとんど人居ないし、イチョウが綺麗だし』

春になると、毎日のように並木道へ出掛けては毎日のように同じ言葉をやりとりした。

『潮は、この並木道好きか?』
『淕が好きな物は全部好きだよ』

周りの目なんて気にしない。ただ、二人でいるだけで夢のようだった。
中学一年から今は高校一年。
ずっと同じクラスだった。
だから余計かもしれないけど、
青野潮と成田淕は仲が良い(むしろ良すぎる)と学校中の誰もが知っている。