次の日、潮は淕と仲のよかった隣のクラスの男子に知っているか聞いてみた。

『青野、淕と付き合ってるのに知らないのか?アイツ、結構前から病気だったんだよ』

“どうして、どうして淕はこの人には話しているのに、私には言ってくれなかったの?”

それだけが頭をよぎった。

『淕の入院してる病院、どこだかわかる?』

学校終わり、今日は部活を休むと千早に言い、走って病院へ向かった。

『成田淕という人がなん号室に入院しているかわかりますか?』
ナースステーションのお姉さんは初めあまりの潮の勢いにびっくりした顔をしていたが、

『成田淕さんね。成田さん、成田さんっと…405号室ね』

『405…ありがとうございました!』

全力で階段を登る。
念のため言っておくが、ここは一応病院だ。

405号室
成田淕様

『あった』

ガラガラガラ
恐る恐る扉をあける。
そこには、ベッドから窓の外を眺める淕がいた。
『淕…』

『潮!』
人の目とはいったいどれほど大きく開くのか疑問におもうほど、淕は目を見開いていた。