紗夜side


あたしが4歳の頃。
最愛の両親が事故で亡くなった。
母のお腹の中には、もうじき生まれそうだった弟もいた。
もちろん、弟・那智(Nati)も亡くなった。
手嶋家に残されたのは、歳の離れた兄とあたしだけだった。
育てる人がいなくなった。
育ててくりる人がいなくなったんだ。

あたし達は、親戚ん家に預けられた。
でも、その親戚は酷い人ばっか。
何か一つ間違えると、すぐに叩かれた。
あたしが小学4年生になると、あたしだけ一人暮らしさせられる。
その家がここ。
小学校を卒業するまで、前の学校にいた。
中学生に上がったら、1年間だけそっちの中学に行き、中2になってから、こっちの中学に来た。

あたしが不良と絡んでる理由。
それは、何か刺激的な日常が欲しかったから。
そんなとき、少し荒れてた友達にスカウトされ仲間入り。
次第に薮中と関わりを持ち、他校との喧嘩が勃発。
あたしは止めたいとは思わなかった。
だけど、不良の一人がシンナーに手を出したとき、真面目に怖いと思った。
このままだと、あたしもあれを使うかもしれないって。