この世界は2つに分かれている。
人間たちの住む「下界」と、神たちの住む神聖なる域「天界」
この種族は決して交わることがなかった。
神たちは神聖なる者として、人間たちに敬われた。
しかし、神が人間の前に姿を現したことなどなかった。
だが、そうしたことで人間たちの神への信仰心は強まった。
人間の神への信仰心は力となる。
その力で神は、この世界の平和を保った。
----------しかし、何年か前にその均衡は崩れた。
神が人間と恋におちたのである。
他の神たちはそのことに激怒した。
人間に姿を見せるなど神にとってご法度。
しかもその神は女神。
天界のみならず、下界をも支配する天王神の娘姫であった。
天王神はすぐに娘を屋敷に連れ戻した。
しかし、殺すことはできなかった。
何と言っても天王神は2つの世界を支配する絶対的な存在。
その娘を殺すなど無理な話だった。
しかし、どんな手を使ったのかは分からないが、女神は地獄へ落ちた。