季節は初夏。
じりじりと照りつけるお天道様が夏の訪れを告げていた。
みんみんと鳴く蝉の鳴き声が辺りに響き、夏の暑さを助長していた。
「加賀美さん。」
離桜は呼ばれた声で後ろを振り返った。
「山崎さん。」
そこには監察方の山崎丞が立っていた。
山崎は持っていた二つの篭を縁側の離桜の座っていた横に置いた。
「加賀美さんに頼まれていた二十日鼠のことですが・・・」
篭を覗き込むとそこには数日前に捕まえておいた二十日鼠が二匹ずつ入っているはずだったのだが-------
「片方の二十日鼠は今朝死んでいました。感染するといけないので土に埋めておきました。掘り起こしてきましょうか?」
「いや、確かに感染すると厄介なことになるから埋めて正解だと思うよ。掘り起こさなくて大丈夫。ただ・・・」
そこで離桜の視線が鋭くなった。
じっと篭を睨んだまま動かない。
「どっちの二十日鼠が死んだの?」
.
じりじりと照りつけるお天道様が夏の訪れを告げていた。
みんみんと鳴く蝉の鳴き声が辺りに響き、夏の暑さを助長していた。
「加賀美さん。」
離桜は呼ばれた声で後ろを振り返った。
「山崎さん。」
そこには監察方の山崎丞が立っていた。
山崎は持っていた二つの篭を縁側の離桜の座っていた横に置いた。
「加賀美さんに頼まれていた二十日鼠のことですが・・・」
篭を覗き込むとそこには数日前に捕まえておいた二十日鼠が二匹ずつ入っているはずだったのだが-------
「片方の二十日鼠は今朝死んでいました。感染するといけないので土に埋めておきました。掘り起こしてきましょうか?」
「いや、確かに感染すると厄介なことになるから埋めて正解だと思うよ。掘り起こさなくて大丈夫。ただ・・・」
そこで離桜の視線が鋭くなった。
じっと篭を睨んだまま動かない。
「どっちの二十日鼠が死んだの?」
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