途中、家の方向が違う由架とバイバイをしてから、梨子と二人きりになる。




「何ていうか、さおも大変ねー」




梨子がそう言いながら、先ほど買った缶ジュースをチビチビ飲んでいた。



「大変?何が?」

私がそう聞き返すと、梨子はにやっとした笑顔を浮かべる。


「竹と由架のコトよ。人の恋の協力って、そう簡単に出来るモンじゃないって分かったでしょ」
「あー・・まあ、確かに」


さっきの由架の表情を思い出す。
協力するって言ったって、どうしていいのか分からない。

一歩間違えば、ただ反感を買うだけなのだ。



「由架は奥手だし、竹は鈍感そーだし。協力はやめといたほうがいいかもね。応援ならまだしも」


そう言って梨子は、飲み干したジュースの空き缶を、ちょうど近くにあったゴミ箱に投げ捨てる。


「うん、そうだね・・」




もともと恋愛が分からない私に恋愛の協力なんて、無理だったのだ。