「だから、まずはメアドだって」



梨子が、パックのジュースを飲みながらそう言った。
横に居た梨子の彼氏・孝太もウンウンと頷く。



「ええっ、メ、メアド・・・私、聞けるかなぁ」

由架は不安そうにしている。



ちなみに、今は1時間目が終わって、休み時間中だ。
話を聞かれないように、教室を出た踊り場で、こそこそ(?)と話している。







「メアドくらい、ぱぱーっと聞いちゃいなさいよ。ねぇ、孝太?」
「ん。竹なら気にしねーと思うぜ」


孝太もそう頷く。
梨子と孝太って、本当良い組み合わせだなぁ。



「ねぇ、さお。私でも出来るかな・・・?」
「できるできる。由架は可愛いんだから、自信持ちなって」


ぽん、と頭を撫でる。
由架は嬉しそうな、恥ずかしそうな顔をしている。





「あー、さおが男だったらアタシ、ホレてたなあ」




梨子が、呆れたような声でそう言う。



「冗談やめてよ」
「いや、マジで。」
「マジかよ」


俺も惚れてたな、と孝太も言う。
いや、男同士で惚れるとか・・・。




「ま、とりあえず由架の目標はメアドを聞くってことで。」



納得の言っていないような由架が、ぎこちなく頷いた。