プイッとそっぽを向いて、結城くんに背中を向けると。
「馬鹿…ね」
と小さな呟きが聞こえた気がした。
「くす、機嫌なおしてよ。
ほら、オレに花の顔を見せて?」
今度はちゃんと聞こえた声に、後ろをそっとちら見すると。
彼はこっちを見たまま、曖昧に微笑んでいた。
何だか、いつもと様子が違う結城くんに、不信感を抱きつつ。
ゆっくりと振り向くと、彼は嬉しそうに目を細めた。
「機嫌はなおったかい?」
「…あんまり」
上目遣いに睨みながら、小さく呟くように言うと。
「それは大変ですね」
背後から、結城くんと同様の面白そうな声が聞こえた。
思わぬ登場に驚いて、勢いよく後ろを振り向くと。
さっきみたいに顎を掴まれて、顔を上に向かされる。
「あ、章さん…」
「おはようございます、詩織さん。ご機嫌が優れないようなら、僕が直してさしあげましょうか?」
明らかに妖しい笑みを浮かべながらだんだん近付いてくる整った顔。
「えっ…あの、近っ……」
ほんとに後数センチで唇がぶつかるんじゃないかってところでぎゅっと目を瞑ると。
「!!?」
何かが口元に被さって、ぐいっと後ろに引かれた。
そのまま倒れそうになった私は、
背後からぎゅっと抱き締められて。
「調子に乗ってんじゃねーよ」
頭上から降ってくる低い声に目を開けて上を見上げると。
鋭い目つきで章さんを睨む結城くんの姿があった。
た、助かった………。
「調子になんて乗ってませんよ?
ただ詩織さんの機嫌をなおそうとしただけです」
「へえ…そのなおし方、是非とも教えてもらいたいねえ」
オレがやるからさ。と挑戦的に章さんを睨む結城くんと。
「それなら見本を見せてさしあげますよ?」
もちろん詩織さんと。とにっこり笑顔で返す章さん。
二人とも口角は上がってるけど…。
目が笑ってないよ!!
明らかに両方からバチバチと火花が飛んでいて。
冷戦状態の二人。
それに板挟みになっている私。
「馬鹿…ね」
と小さな呟きが聞こえた気がした。
「くす、機嫌なおしてよ。
ほら、オレに花の顔を見せて?」
今度はちゃんと聞こえた声に、後ろをそっとちら見すると。
彼はこっちを見たまま、曖昧に微笑んでいた。
何だか、いつもと様子が違う結城くんに、不信感を抱きつつ。
ゆっくりと振り向くと、彼は嬉しそうに目を細めた。
「機嫌はなおったかい?」
「…あんまり」
上目遣いに睨みながら、小さく呟くように言うと。
「それは大変ですね」
背後から、結城くんと同様の面白そうな声が聞こえた。
思わぬ登場に驚いて、勢いよく後ろを振り向くと。
さっきみたいに顎を掴まれて、顔を上に向かされる。
「あ、章さん…」
「おはようございます、詩織さん。ご機嫌が優れないようなら、僕が直してさしあげましょうか?」
明らかに妖しい笑みを浮かべながらだんだん近付いてくる整った顔。
「えっ…あの、近っ……」
ほんとに後数センチで唇がぶつかるんじゃないかってところでぎゅっと目を瞑ると。
「!!?」
何かが口元に被さって、ぐいっと後ろに引かれた。
そのまま倒れそうになった私は、
背後からぎゅっと抱き締められて。
「調子に乗ってんじゃねーよ」
頭上から降ってくる低い声に目を開けて上を見上げると。
鋭い目つきで章さんを睨む結城くんの姿があった。
た、助かった………。
「調子になんて乗ってませんよ?
ただ詩織さんの機嫌をなおそうとしただけです」
「へえ…そのなおし方、是非とも教えてもらいたいねえ」
オレがやるからさ。と挑戦的に章さんを睨む結城くんと。
「それなら見本を見せてさしあげますよ?」
もちろん詩織さんと。とにっこり笑顔で返す章さん。
二人とも口角は上がってるけど…。
目が笑ってないよ!!
明らかに両方からバチバチと火花が飛んでいて。
冷戦状態の二人。
それに板挟みになっている私。