「月園結惟さん」
入学式から1週間ほどたつと、男女ともにいくつかのグループを作っていた。
わたしは敢えてどのグループにも属さずにいる。
昼休みに独りでお弁当を食べるのも、慣例となりつつあったあるとき、わたしに声をかけた人がいた。
「良かった。わたし、人の名前覚えるの苦手だから、ハラハラしたよ」
「確か、日和起希(ひよりきき)さんだっけ?」
「そう、覚えてくれてありがとう」
確か、クラスの中でもいち早く周りと打ち解けた人だ。
文字通り、太陽のような笑顔。
少々の強引さはあるものの、それが周りと打ち解ける要因だと思う。
「それで、日和さんがわたしに何の用?」
「一緒にお弁当食べようかと思って」
「いいけど、わたしに関わると全うな一生送れないよ」
失礼な対応だとも思ったけど、あんな思いをするくらいなら周りに嫌われたほうがマシだ。
けれど、日和さんは意外な答えを返してきた。
「大丈夫、『お前は絶対長生きするタイプだ』って、周りからたくさんお墨付きもらってるから」
できるだけ他人と関わらないようにしようと思ったのに、こういう返事をする人には初めて会った。
入学式から1週間ほどたつと、男女ともにいくつかのグループを作っていた。
わたしは敢えてどのグループにも属さずにいる。
昼休みに独りでお弁当を食べるのも、慣例となりつつあったあるとき、わたしに声をかけた人がいた。
「良かった。わたし、人の名前覚えるの苦手だから、ハラハラしたよ」
「確か、日和起希(ひよりきき)さんだっけ?」
「そう、覚えてくれてありがとう」
確か、クラスの中でもいち早く周りと打ち解けた人だ。
文字通り、太陽のような笑顔。
少々の強引さはあるものの、それが周りと打ち解ける要因だと思う。
「それで、日和さんがわたしに何の用?」
「一緒にお弁当食べようかと思って」
「いいけど、わたしに関わると全うな一生送れないよ」
失礼な対応だとも思ったけど、あんな思いをするくらいなら周りに嫌われたほうがマシだ。
けれど、日和さんは意外な答えを返してきた。
「大丈夫、『お前は絶対長生きするタイプだ』って、周りからたくさんお墨付きもらってるから」
できるだけ他人と関わらないようにしようと思ったのに、こういう返事をする人には初めて会った。