コンコン。

「義兄さん、邪魔するようで悪いんだけど、少し結惟さん借りてもいい?」

ベッドの上に横たえられ、唇が重なり合おうとした瞬間、ノックの音と女の子の声が響いた。

「いいとこだったのに……」

ブツブツ言いながら、調君はドアを開ける。

そこに立っていたのは氷雨ちゃん。

「やっぱりいた。靴があったから、そうだと思ったんだ。ちょっと結惟さんと話したいんだけど、いい?」
「ちょっとだけだからな」

調君に渋々送り出され、わたしは氷雨ちゃんの部屋に行った。