「調君の部屋って久しぶり」

いや、「この部屋」に入るのは初めて。

でも、調君の部屋には変わらないかな……

記憶の中の部屋と照らしながら辺りを見回すと、ふとある物が目に入った。

写真立てに飾られた2枚の写真。

1枚は木通家と一緒に写っている写真。

もう1枚は今は亡き実のご両親と一緒に写っている写真。

「泣かないで」

「えっ……」

気づけば、涙が頬を伝っていた。

「あの事故が結惟のせいだって思ってないよ」

「調君……」

「嬉しかったんだ、結惟とまた会えて。6年間、ずっと会いたかった」

「でも、わたしが入院してたせいで調君のお父さんとお母さんは……」

「結惟のせいじゃないよ」

調君は、胸にわたしを抱き寄せた。

「好きだよ。離れてた間もずっと結惟のこと想ってた」