「今のハヤリは
こう云うタイプで・・。」


「ハァ・・。」



"話を聞くだけでも"


と、母上に美津子さんを

引き渡されたあたしは

彼の前・カノの話にずっと

引き攣りっパナシだった。



「これなんか、良幸の好みよ♪」



指差した写真のウェディング・

ドレスより、その"良幸"って?

あたしでさえ"神足さん"って

呼んでるんやけど。


ってか、何で・・

彼の前じゃそう呼ばへんのん?


まあまあ・・落ち着け、あたし。

フー・・、深呼吸しよ、深呼吸。

そうそう、麦茶でも飲んでさ。



「彼・・床上手でしょう?」



ブフゥーッッッ!!


・・大噴水。 

(まあ、なんて霧の細かいこと)



いきなり何を・・。




「あっ、ごめ・・。」



謝る事もないけど・・お茶、

思っきり顔に掛けてもうたし。


思わず立ち上がってテッシュで

顔拭いてあげた。

・・あっ、ヤバイ。

ちょっと眉毛取れたっ。

いいや、黙っとこ。


せやけどアンタ、

"トコ上手"なんて

今ドキあんまり云わんやろ・・。


え、それとも東京では

けっこう頻繁に使うん??