下手に喋って過激ファンの

怒りの矛先が彼に向かなきゃ

いいんだけど・・。



『で、母さんにも紹介してくれ

るんでしょ?』


「そりゃするけど・・、!」



この言い回しが

気になるじゃないか?



「母さん、今どこから」



ピーンポーン・・・



「わ!・・どうしたん?」
 


ハタ!

俺はナギより速やかに

インターホンのカメラを

見に行った。


やっぱり。携帯片手に・・・

カメラに手を振るな。



「・・いつも急に来るなって

あれほど云ってるだろ。」


「いいじゃないの、居るって

解ってんだから・・!」



「こんにちは、初めまして。」


「あらぁ、こんにちは

初めまして。神足の母ですー。」




お土産の人形焼を

ナギに手渡した。


そのついでに彼女の眼帯の目を

ジッと

見ていたのを俺は知ってる。


ナギはそれに気付かずに

お茶の用意をしに行った。



「さすが垢抜けてるわね。」


「・・・・・どう云う意味?」


「店はもう辞めたんでしょ?」


「目が治るまで休業中だよ。」




母は

銀座の女が特に嫌いだった。