「____ じゃあ、ずっと同棲?」



夕食の用意をしながら話してた。

今日は俺が買って来た鰻と、

笊豆腐。夏はコレに限る。



「実際は三ヶ月も棲んでないかな」



一緒に暮らしてみて解ったんだ。

彼女とやって行くのは

無理だって・・。



「どーりで、

穴がアクぐらい見はる訳や。」


「・・・そんなに?」


「いちいち鼻のココに皺寄せて

喋らはるし。何か怒ってる?って

聞きたい位やったもん。」



口を一文字に結び、オドケて

ナギは云う。

お膳立てを済ませて席に着くと

冷えたビールを注いでくれた。



「俺も最初、

ナギに何て云おうか迷った。」


「云いそびれたんや? あるある、

そんな事。んじゃ・・はい、

お疲れさま。食べよっ・・。」





カチンと

コップを鳴らしてから一口。

手を合わせ、お箸を持ってる。


俺はまだポカンとしてたんだ。

"あるある"って・・

迷った俺がバカみたいじゃん。



「ん~!

これ何処の豆腐? おいシー!」


「石薄々豆腐、

元々は京都だって。」


「そうなん?

やっぱ豆腐は京都やんなー。」



喜びながら、お箸を進める

彼女を見て・・また和むんだ。




______ "なんでこのコなの?"

そう聞かれたら俺は迷わず云うよ




"俺を___

いつでも幸せにしてくれるから。"



そして俺は

片手をポケットに滑らせた。