「一生、

まともな"プロポーズの言葉"も

聞かんと

ズルズル結婚しちゃってたよ。

アハハ。・・みたいな、呑気で

オバカで不幸な女に

なるんちゃうんっ!?」


「 ・・長ェよ。」




丁度、"オイっ"って

突っ込まれた所だった。



ピーンポーン・・・。



はっ・・・・!



あたし達2人は、

沈黙の末に顔を見合わせてる。





「はい。」


カメラの映像には

女の人が写ってた。歳は多分・・

あたしより上っぽい。



『初めまして、お邪魔致します。

私、ウェディング・プランナーを

しております

牧 美津子と申します。

以前、神足さんと別のお仕事で

お世話になっておりまして。』



あ・・彼の仕事関係の人?



「今日は雑誌の取材とかで

出掛けたんですけど・・。

ちょっと待って下さい。」



ずっとインターホン越しも

失礼かと思い、

ハルミさんも後ろで肯いてる事で

ドアを開けに行ったのだ。




切れ長のとても涼しい目をした

綺麗な人・・。

長い黒髪が印象的な

27、8ってぐらいの

痩せた女性だった。



「初めまして、

小野原と云います。」


「ええ、お噂はかねがね。」



テレビか? 多分そーだーろーなー。

ちょっと

ケンのある言い方に聞こえたのは

気のせいかな・・。


インターホン越しで話してた時は

優しい物腰やったのに・・?