「あんなん、

掃いたらお終いやん。

ホンマしょーもない事

するよなぁ・・。」




聞けば彼女はすんなりと答えた。

ノックの音がして、出て行くと

アレが散乱していたそうだ。


眠る前、

カーテンを閉ざしながら

呆れて笑っていた。


だが、

それも強がりなんだと思う。


明らかに悪意を持った人間が

ドア一枚隔ててイヤガラセを

して行くんだから。


ご丁寧にノックまでして・・。



「目・・だいぶ腫れ、ひいたね。」



ベッドに戻って来た彼女を

上から覗き込む。



「うん、視界も広がったし。」



"そんな顔してまで見なくても"



以前、

ナギの目の治り具合を見ては

眉間にシワを寄せ、

悲痛な顔をしてた。



彼女にそれを指摘されて

苦笑もされたものだが

今ではそれもなくなった。




・・引っ越そうか? 



俺がそう云えば

彼女はオーバーだと云うだろう。


でも、あの日の・・

あの後悔を思えば、

その位で丁度いい。




・・・どうか、

俺の気が済むように

させてくれないか?