数日後の朝、
神足は神妙な面持ちで
1人の訪問客を部屋に通した。
「どうぞ」
正木側の弁護士である。
和祇も一旦席を立ち
頭を下げて挨拶を交わす。
こちら側の弁護士は
隣の女の紹介だ。
「ご本人ですね? 」
「はい。」
俺は彼女の隣に座る事はせず
彼らにコーヒーを出した後、
キッチンの
カウンター席へと移った。
正木は捕まる際に警察官を
殴ったそうだ。
あのガタイで暴れるんだ、
警察もタイヘンだった筈。
で、
オマケの罪状も着いた所で
本人は今まだ拘留中という訳。
実は相手の弁護士は
ヤツの友人で、
だいたいの刑を予想してか
話し合いを
求めてきたのだった。
それがいい事なのか、
禁じられているのか
どうかは知らないが
彼女の弁護士・明村は
「私に任せてください」と
大見栄を切ったので
取り合えず従った迄の話だ。
一度、
司法が絡むとヤヤコシイ。