竹に結ぶと桃からメールがきた。
 【願い事書いたー?】の文字。


「書いたよっと。はぁ、お風呂入って寝よう。」


 桃に返信すると、一時間近く
 お風呂でボーッとしていた。
 出てから家族みんなでテレビを見ながら
 晩御飯。琉雅兄ちゃんの仕事先での笑い話。
 盛り上がる家族みんな。
 私も笑みが絶えなかった。
 しばらくして、こうちゃんと電話をして
 来週の土曜日の試合は応援に行くことになった。
 今日、宣戦布告されたっけな。

 絶対勝って…こうちゃん!!


 次の日。七夕だぁー!!と
 朝から騒ぐ琉雅兄ちゃんの声に
 驚いて起きる私。その顔はまだ寝ぼけてる。
 あ、今日日曜日だっけ。学校休みかぁ。
 寝ぼけながら階段を下りて、
 リビングに向かう私。


「…お。優愛、おはよ!」


 そこにはジャージ姿のこうちゃん。 あれ、あれ?何でジャージ?
 少しずつ目が覚める私。
 こうちゃんはゆっくりと私に近付く。


「あ、これ?今日中学校で練習参加すんだ♪おめーも来る?」


「え、いや私。明日のテストの勉強するからパス。」


 笑いながらこうちゃんのおでこに
 デコピンする私。
 こうちゃんはムスッと膨れたけど
 ニコニコしながら竹に指を指した。


「あれ、優愛んだろ?」


 へ?…あーー!見られた。
 恥ずかしい。ばかこうちゃん!!


「すんげぇ嬉しい!!あれ、俺のことだろ!?」


「他に誰がいるんですかぁー?」


 睨んだ後こうちゃんに背を向く。
 こうちゃんは私の頭を叩くと
 玄関まで走っていった。
 痛っ。ばかこうちゃん。


「じゃあ、俺が留守の間浮気すんなよ?」


「死ねばーか。」


 舌を出す私にははっと笑うこうちゃん。
 そして、笑顔で行ってきますと
 いってらっしゃいの言葉。
 さてと、今日は何して過ごそうかな?

 図書館にでも行くか。
 これがまさかとんでもないことになるなんて
 思ってもいなかったのでした。