そんなことより、竹だよっ!
お願い書かなきゃ!んとんと。
…不思議とこうちゃんと中川先輩の顔が浮かぶ。
横に顔を振る。だめ!けじめつけなきゃ。
こうちゃん…こうちゃん。
「おめー、光汰と付き合い始めたんだってな?」
ドキッ 琉雅兄ちゃんの言葉に鼓動が速くなる。
「そ、そぉだよ!?付き合い始めたんだから!」
思わず焦る私。何やってんの私。
ここ焦るとこじゃないしっ。
変に裏返った私の声を聞いて、
琉雅兄ちゃんやお母さん、お父さんは首を傾げる。
だけど、その私の違和感に一番最初に気付いたのは
隼人兄ちゃんだった。
部屋に戻ると折り紙を見ながら、
ペンをもって考える私。
何書けばいいのかな。
その時。 コンコン 部屋の扉のノック音が鳴る。
目線を向けると、隼人兄ちゃんが 扉を開けて笑顔でそこにいた。
「どうしたの?隼人兄ちゃん。」
立とうとする私に近付く隼人兄ちゃん。
私の肩に手を置いて座ってていいから、そう言う。
私はゆっくりと腰を下ろして、
ベッドの上に腰を下ろす隼人兄ちゃんを見る。
隼人兄ちゃんは私にとんでもない事を言った。
それが、まさか。自分の問いについてだなんて。
「優愛さ、本当に光汰でいいの?」
「え…。」
思わず固まる私。何、隼人兄ちゃん。
もしかして…ま、まさかね。
誰にも話してないからわかる訳ないか。
「何言ってんの、隼人兄ちゃん。こうちゃんの事好きだから、付き合ってるんだよ?」
笑う私を見て隼人兄ちゃんは小さくため息をもらす。
え、何私間違えた?
その後、隼人兄ちゃんの言葉に
一気に心が揺れたのだった。
「優愛さ、それ本当の恋なの? 」
「……恋…だよっ。」
隼人兄ちゃんの言葉に震える口で答える私。
私の答えに隼人兄ちゃんは笑う。
「優愛がそう言うなら、兄ちゃん何も言わないや!」
満面の笑顔で笑う隼人兄ちゃん。
私の肩を軽く叩くと、部屋の扉に向かう。
本当…の恋?ちゃんとこうちゃんの事好きだよ?
嫌いじゃないよ、嫌いじゃない。
「でも兄ちゃんが怒るのは」
扉のドアノブを掴みながら立ち止まる隼人兄ちゃん。
隼人兄ちゃんの方を見る私。
「自分に嘘つくこと。」
パタン… 扉が閉まる。