「わぁっ!」
子供のように目を輝かせながら、惺來は初めての文化祭を満喫している
「ねぇ隼人!あれ何?」
と、袖を引っ張りながら指を差す
「ん?あー、縁日だな。行ってみるか!」
うんっ!と頷き無邪気に笑う
物当てゲームに射的、輪投げに金魚すくい・・・
惺來は金魚すくいがお気に召したようで_
「う~ん、難しい・・・。何でこれきれちゃうのよ!」
と、文句を言いつつもう1回、もう1回と・・・
これで6回目・・・
それを見かねた隼人は
「ったく。そうじゃない・・・」
と、惺來の後ろから手を添える
「いいか、水に全部つけちゃダメだ。狙いを定めて・・・」
耳元で囁く
囁かれてる当の本人は、金魚すくいに夢中・・・
「そこでっ」
サッと器の中に金魚が入る
「わぁ!入った!」
「な?金魚すくいってのはこうやるんだ」
そこまできて、ようやく自分の今の状況に気づく
とくんっ、とくんっ・・・
ち・・・近いっ・・・
「ほら、もう一匹いくぞ?」
耳元がくすぐったい・・・
もう金魚すくいどころではなかった
だからと言って、離れてと言うこともできず・・・
結局もう一回一緒にやって、隼人は離れた
胸をほっと撫で下ろし、今度は一人で挑戦
ちゃぽんと器に3匹目が入る
「できたっ!見て隼人!私できたわ!!」
幼い子供のようにはしゃぐ惺來を見て、隼人は頬を染めた