「・・・以上。では、各自気をつけて帰るように」
担任の長い話が終わった。
すると、またさっきの女達が俺の周りを囲う。
「倉科くん!一緒に帰らない?」
「廉くんは、何部入るつもり?」
女ってなんでそんなに質問したがるんだ?
「悪りい、俺一緒に帰る奴他にいるから。あと、部活は入るつもりはない」
そう言って、教室を出た。
「廉、帰ろーぜ」
「おう」
こいつは俺の親友の橋本隆樹。出身中学、小学校、幼稚園が同じで、いわゆる幼馴染。
「お前、すげえ女に囲まれてたな」
「ん?ああ」
「いいよな、お前はモテて」
「お前だってモテるだろ」
隆樹はとても整った顔をしている。男の俺から見てもカッコいいと思う。
靴を履き替え、外に出る。
桜が綺麗に舞っている。