「…なんだ、お前ら…そういう関係なのかよ」
確か、竜崎正志くん。
コワモテな外見をしていて、不良なんじゃないかとみんなに恐れられている存在だわ。
手には買い物袋があって、レジ袋に印字されたスーパーの名前から察するに、この近所で買い物をした帰り。
…なんで、こんなところに。
私達の高校の生徒が、この近辺に住んでいないのは、既にリサーチ済み。
あのスーパーに買い物に行くのはまだいいとして、どうしてこの住宅街を通るの?
途端に背筋に冷や汗が伝ってきて、私は青ざめた。
見られた。
私とシロが、一緒にいるところ。
私の……本当の、姿。
塞がれている口をモゴモゴさせてシロに訴える私を見て、竜崎くんは眉を寄せた。
「つか、姫宮…お前、いつもとキャラ違くね」
今度こそ、血の気が引いた。
終わった。
私の残りの高校生活、ゲームオーバーだわ。残念ながら、リセットはできない。
明日、私が猫かぶりだったということが学校中に知れ渡り、天使ミアちゃんの評判は地の底に落下。さようなら。