「えー…だって美愛子、覚え悪いんだもん。珍回答出し過ぎだよ。頭大丈夫?」
「どうして珍回答出したくらいで頭の心配されなきゃいけないのよー!?」
だから、ふと目線を横に向けるまで、気づかなかった。
私達を見つめて呆然と立ち尽くす、見覚えのあるひとの姿に。
「…姫宮…?…と、進藤…?」
「ギャー!!」
私が叫ぶと、そのひとはビクリとする。
すぐに後ろから手が伸びてきて、私の口を塞いだ。
「……!!……!!」
見上げて、私の口を塞いでくるシロに訴える。
けれどシロは、厳しい顔でそのひとを見ていた。
…やばい、やばいわ。
目の前で、開いた口が塞がらないという感じで私達を見ている…その人は。
私と同じクラスの、男子。