けれど…意地悪なシロはやっぱりちょっとムカつく。

あんなに、私に優しかったのに。

戸惑うし、それに、なにより…


心臓が、持たないのよ。


また悩みの種が増えてしまった私を、りさは苦笑いで見ていた。





あれから、続々と返ってきた恐ろしい点数のテストに意気消沈したりして、一週間は過ぎて行った。

そして、日曜日。

夕方、私はシロと一緒に彼の家から出てきた。

ガチャ、と玄関の扉が開く。

空はすっかり茜色で、見上げたシロはここぞとばかりに嫌な顔をしてきた。


「うわー…もう夕方。美愛子のおかげで、俺の日曜日があっというまに過ぎ去ってくね」

「わっ…悪かったわよ!ごめんって言ってるじゃない!」


いつも通りの会話をしながら、玄関の門をキィ、と開く。

今日は、来週控えた合計三つもある追試の勉強を、シロに見てもらっていた。