けれど…意地悪なシロはやっぱりちょっとムカつく。
あんなに、私に優しかったのに。
戸惑うし、それに、なにより…
心臓が、持たないのよ。
また悩みの種が増えてしまった私を、りさは苦笑いで見ていた。
*
あれから、続々と返ってきた恐ろしい点数のテストに意気消沈したりして、一週間は過ぎて行った。
そして、日曜日。
夕方、私はシロと一緒に彼の家から出てきた。
ガチャ、と玄関の扉が開く。
空はすっかり茜色で、見上げたシロはここぞとばかりに嫌な顔をしてきた。
「うわー…もう夕方。美愛子のおかげで、俺の日曜日があっというまに過ぎ去ってくね」
「わっ…悪かったわよ!ごめんって言ってるじゃない!」
いつも通りの会話をしながら、玄関の門をキィ、と開く。
今日は、来週控えた合計三つもある追試の勉強を、シロに見てもらっていた。