「あの気だるそうな表情。きっと転校には慣れっこなんだね。」 沙羅がそう言ったとき。 カランカラン 授業が始まった。 一時限目は英語だった。 先生が少し急いで入ってきた。 「では、教科書の21ページからね。 アベルくん、まだ教科書届いてないの。 今日は、隣の緑川さんに見せてもらって?」 「はい、分かりました。」