「そうなんだよ、ライオス。しかしアベル様はお優しいから手元に置きたがらない。」





・・・・



長い沈黙。




「そこで俺に良い案があるんだけど。」



いつの間にか一つ影が増え、ドアの横の花瓶ののったスツールの上に人が座っていた。




「アベル様!」





四人は慌てて膝をついた。




「提案聞いてもらえる?
それにお客がいたみたいだけど
みんな気づかなかったの?」



彼がそう言った途端、他の四人がビクッとした。




誰もココの気配を感じていなかった。
吸血鬼は気配に敏感。
しかし、アベル以外誰一人気づいていなかった。