部屋から出ることを禁じられてはいないし、
私はドアをそっと開けて部屋から出た。



廊下は真っ暗。
窓はあるようだが厚手のカーテンに覆われ、光は全く入ってこない。


頼りは一定の距離にある、蝋燭のあかりだけ。




たしかアランは上の部屋と言っていた。
廊下はとても広く長い。
階段らしきものは見つからない。



床にはレッドカーペット。

まるでどこかのお城みたい。

カーペットはふかふかで蝋燭立ての金具の彫刻は見事なものであった。



まだ寝起きの気だるさが残る体を動かし、やっとのことでエントランスのような広い場所に来た。


天井は20mほど上にあった。
円錐のような形で壁に沿って螺旋階段があった。


きっとこれを上るんだ。




とても長い階段だったが、アベルの顔が早く見たくて、一気に駆け上った。





辿り着いた場所には、ドアがひとつあった。