そして強く掴んでいた手も緩めた

「な、なんだよ急に?」

「…なんでもない」

「???」

「…とにかく……教室に戻って…」


「嫌だね」

そう言ってジノは階段を駆け上り屋上へ向かった



屋上のベンチに寝転がり空を見上げる

ふとさっきのレオナの表情が浮かび上がってきた

「なんか、苦しそうだったな…ま、気のせいか」

あんな女どうでもいい

と思いながらも心配になったジノは屋上を後にし、さっきレオナがいた場所へと戻ってみた



そこにレオナの姿はなかった

「やっぱり気のせいか…アホらしッ」

ジノは屋上へと戻っていった