似ている

ジノは心の中でそう思った

ユナに…似ている

ジノの手が震えた



「じゃぁ、授業始めるぞ」

担任がそう言って黒板にむかったときジノは教室を飛び出した




ジノは一気に屋上へ駆け上がった

屋上に上がったジノは呼吸がかなり荒くなっていた


屋上のフェンスにしがみつくジノ

手が震えたまま

瞳からはひと粒の涙が頬をつたっていた


「…くそ、思い出しちまった」


情けねぇよ…

情けねぇよな、ユナ…


ユナ、お前に会いたいよ…