春の匂いから夏の香りへ移ろうとしていた季節に転校生がやってきた
ジノが珍しくホームルームの時間にも教室にいた
担任が教室に入ると、後ろから女の子が付いて入ってきた
ざわつく教室
ジノは外を見つめていた
「はい、静かに。…今日からこのクラスに転入してきた夏木レオナさんだ。」
担任の隣りに立っている小柄な女の子が一礼をした
「夏木レオナです。」
一礼して顔を上げたレオナの方をジノがふと見た
ジノの心臓がドクンと鳴り、一瞬時間が止まったかのようだった
「じゃぁ、あの空いてる席に座って。」
担任の指示でレオナは指定された席へと向かった
レオナの席はジノの斜め右後ろだった
ジノの心はバクバクしていた