ジノはいつの間にかまた屋上のベンチで眠っていた

ふと目を開けると空は赤く染まっていた



ジノは昔を思い出しそうになっていた

でも、直ぐに頭を切り替え違う事を考える



昔の事なんて忘れてしまいたい

ジノは何時もそう願っていた






階段をトボトボとおりて下駄箱に向かうとそこには、ちょこんとしゃがんだレイがいた

ジノに気がついたレイはスッと立ち上がり笑顔になった

「一緒に帰ろ!」

ジノは表情1つ変えずに靴を履き替えレイの横を通った

レイはジノの腕を掴んだ

「ジノ!ごめん!!…朝、ジノは私のものみたいな言い方しちゃって…本当にごめん!」

「別に気にしてない」

ため息をつきジノが答えた

「本当!?」

「あぁ」

「じゃ、一緒に帰ろ!」

「俺バイクだから」

「後ろに乗せてよ」

「嫌だ」

「ジノ〜」

「1人で帰れるだろ?」

「無理!帰れない!!」

ため息をつくジノ

「勝手にしろ」

そう言ってジノはバイクへと向かった