ジノは屋上に上がる階段を登ろうとしていた

その時

「滝山、出席とるぞ」

と担任に声をかけられた

ジノは振り返り微笑んだ

「勝手に出席とってろよ。学校に来てんだからそれでいいだろ?」

そう言い放って階段を登って行った

「…仕方ないか」

担任はどこか諦めたようにため息を付きながら教室へ向かった



「はい、席につけー!」

担任は教室に入るなり、出席簿を手でバシバシ叩きながら生徒達を席へと座らせた

「えー、出席とるぞぉ」

「先生!ジノは今日学校に来てるよ」

ジノの男友達の1人、シンが担任に告げた

「知ってる。さっき会ったからな」

「この場にいないのに出席扱いにはならないですよね?」

一番前の列の中央の、如何にもガリベンといった生徒が不快そうに担任に訪ねた

「あぁ…そうだな。普通ならそうなんだけどな…わかってくれよ俺の事も」

担任が苦笑いをし、その生徒を見つめた