その後、あたしたちはそれぞれ注文した物を食べ、ドリンクを飲んだ。

案の定、梨由はステーキに添えられていたにんじんを残している。

あたしはハンバーグだけじゃ物足りず、デザートを頼むことにした。

「すいませ~ん、苺タルト1つ!」

『かしこまりました。』
「お前、まだ食べるのかよ…。あんま食べると豚になんぞ。ただでさえ、豚みたいな顔してんのに。」

「何よ!あんたなんか男のくせににんじん残してるじゃん。名前のとおり、女の子みたい!」

『ちょっと2人とも、他のお客さんに迷惑だからやめなって。』

実菜の言葉はあたしたちには届かなかった。