僕は いつものように 空を見上げていた 青い色と すこしだけ 白が混じっている 「ねぇ、ユウ」 「なに?」 「わたしのこと…………」 「ミユのこと……?」 「いえ、なんでもないわ」 「そう……」 日も暮れ すこしだけ 星がきらりと またたきはじめている ”いま、なにしているのかな” 僕は そう つぶやいていた そのとき 冷たい風が 僕の 体の中を そっと とおりぬけた (了)