教室につき、1人で机に向かって読書をしていた。
周りではくだらない話ばっかり。
すると、突然こんな話を耳にした。

「ねぇねぇ、知ってる? うちらのクラスに転校生くるらしいよぉ」
「あぁ!知ってる チョーかっこいいらしいよ」

あぁ、始まったよ。 顔で決めるパターンなやつ。

そしてそれから数十分が経ち、クラス中が静まり返った。

「えー、今日は転校生がきている。入りなさい」

「キャーーーーーー!!」
「チョーーー、イケメン!」

女子達の声が怖い。 しだいにそれは嗚咽となりかけていた。

「静かに! 自己紹介をしなさい。」

すると、クラス中がまた静まり返った。
中には、シャーペンを持って何かを書こうとしているものまでいた。
そこまでするか、普通...。

「初めまして、沢森憂斗です。 よろしくおねがいします。」
そういい、一礼をしてから無邪気な笑顔を見せた。

ん...?

沢森憂斗...どこかで聞いたことがある名前だ..

―――――憂にぃはね、やさしいよ

そうだ、確か...日向ちゃん日影ちゃんの...いとこさん..?
でも、小学生じゃ...?


「じゃあ、森沢君は、後のあいている席に座りなさい。」
そういい、指差した先は私の前の席...

「はい、ありがとうございます。」
「じゃ、午前の授業は9:30からだ、遅れないように」
「ハイッ」
そういい残し、先生は立ち去ってしまった。

すると...

ドゴゴゴゴゴォ...
地響きと共にクラスの女子..いや他クラスの女子までもが私の前の席に
終結した。


「ねぇねぇ、彼女とかいるぅ?」
「あたしどう? あたし!!」
「はーい、あたし、憂斗君の彼女なるー!」
「えぇ。あたしよっ」

そういい、数十名の女子は争い始めた。


「悪いけど、そういうの興味ないから」

すると突然女子は静まり返った。
森沢憂斗は教室から出て行った。

「ステキ...」
どうやら..
女子は今後も森沢憂斗を目指すらしい。

頑張れ。森沢憂斗