あたしの視線の先には、先生と話してる先輩の姿。
「おい大地、シャツ」
「えー!別にいいっしょ?!」
「良くないから言ってんだろ」
「あーハイハイ。」
「最初からちゃんと入れとけ」
「分かってるし!」
大澤大地先輩、高校三年生。
あたしの好きな人。
「…日向?」
「…」
「ひーなーたー」
「…あ、ごめん」
向こうに歩いていく先輩に、つい見とれてしまった。
って、挨拶!先輩に挨拶!
挨拶したいっ!けどもう距離が!
振り向け!振り向け!振り向け!!
なんて念じていると、想いが届いたのか先輩が振り向いた。
あ、挨拶っ!
精一杯勇気を振り絞ったが、あたしには先輩に頭を下げる事しかできなかった。
ドキドキしながら顔を上げると、先輩がこっちに向かって手を振ってくれた。
その時の笑顔があたしには眩しくって。
やばいやばいやばいやばい!!!
好き。やっぱ好き。