「日向!おまえ航哉に狙われてるぞ!」

「日向の事好きっつってたし」

そう笑いながら前を通るサッカー部男子数名。

「は?!意味分かんない!!」

そう答えるのはあたし、小野日向、高校一年生。

航哉っていうのはあいつらと同じサッカー部。

っていうか、何!狙ってるとか好きとか!

まぁ、からかって面白がってるだけなんだけど。

あー!ほんと、サッカー部は幼稚な人が多いから嫌!

「日向っ!先輩通るよ!!」

そんな中聞こえてきた友達、陽子の声。

あたしはその声が聞こえた瞬間、陽子がいる窓の近くまで全力疾走。

はずんだ息をととのえ、陽子と一緒に窓の外を見る。

「あ…」