白い・・・ワンピースを着た女の子の幽霊が立っていた。

「おおおおお・・・俺は朝木希月!!ピチピチの16歳!!キヅキって呼んでくれ!!お・・・お前の名前は!!!!????」
俺は俺なりに冷静を装って目の前の幽霊に話しかけた。

幽霊はそんな俺を見ると、クスリと笑った。
「私の名前は『椎夜 美琴』。貴方と同じ、16歳。・・・ミコトって呼んでね。」
ゆうれ・・・いや、ミコトはそう言うと、俺のもとまで走って(正しくは飛んで)きた。

「キヅキ・・・、貴方、私が見えるの??」
「・・・・・む、そう言えば・・・・・。」
俺、霊感なんて殆どないのにどうして霊のミコトが見えるんだろう??

「ふ~ん・・・。ま、いいや。ちょうど退屈してたとこだったし、良い話し相手ができて良かったわ。」
そう言って笑ったミコトの顔は、どこが悲しげだった。
・・・それはこれから起こることを予知しているような・・・、そんな顔だった。



             ◇◆◇◆◇


「今日は楽しかった!!ありがとう!!明日もまた来てよね!!」
「おう!また明日な!!」
俺達は夕方の6時くらいたんまり喋り込むと、挨拶をして別れた。
ミコトはその時間の中でたくさんの話をしてくれた。
・・・【家族全員が殺されたこと】、【誰に殺されたかわからないこと】、【死ぬ時に怖くなって涙が溢れたこと】・・・。
聞いてて俺も泣きそうになった。
ミコトは16歳しか生きられなくって、幽霊になってもその小さい体で重いものを背負ってる。
それはきっと辛い事なのだろう。俺にはきっと真似できない。
・・・ミコトは・・・今、悲しい想いをしてんのかな・・・??

俺が君の辛さを請け負えたら、
俺が君の無念さを晴らせたら、
俺が君を殺した奴を見つかれる事が出来るのならば・・・・
君は安心して成仏できるのだろうか・・・??


俺は・・・許さない。
ミコトを殺した奴のことを。
絶対に・・・・許しはしない・・・・。