先輩とあってからというもの


まったく理解できない先輩自身や

顔も見たことのない
先輩の大切なユウカちゃんやらに


いつでも、
どこか心の中が
モンモンとしている。

好きだって自覚してしまえば
ちょっと楽かもしれない。



「ちーちゃん。
それは恋だよ!!」

金曜日になって
いつものように
マユちゃんがやってきた。

勿論、マユちゃんが嫌いな
ミキちゃんは避難済みだ。


《超天然でイケメンの先輩に智里が告られた》
いつのまにやら自分の知らないところで
噂はでまわっていたらしい。


あのマユちゃんが、
自分のことじゃなくて
私のことについての会話をするなんて
ちょっと久しぶり。


「恋?あー、そうかもね。」

私は目を輝かせるマユちゃんを
適当に流して机周りに
散乱した服を丁寧に畳んでいた。


「あー、じゃないのー!!
自分のことじゃんッッ!!」


私が無視したことで
さらにマユちゃんに熱が入る。



本当に女の子って
「恋」が大好きだなぁ。


つーか、
そんな女の子を
冷静に見てる自分って女なのか?