結局学校につくまで、
イライラしながら走る私の隣を
平然と走るこの男。


校門をくぐり
私はローファーを上靴に
履き替えて再び走った。


「・・・っし・・!!ギリギリ、間に合う!!」
「だね!!間に合うね!!」


・・・・・・ェ??
3年なら4階ですけど・・・?
階段、通りすぎたぞ??



「あの~そちらさん何年生ですか?」
「2年生だよー??」

いや、
『だよー』じゃねぇ!!



「その顔で!?留年したの??」


「留年とかしてないよー。
素でピカピカの2年生でーッす。」


・・・マジで2年なのか・・・・・。
この顔で・・・。


「・・・ッじゃなくて!階段通りすぎたよ!?
2年生は3階じゃん!!」


「・・・・・・・俺は別に皆勤賞狙ってないし、これからあんたと遊ぶつもりだから大丈夫。気にしてくれるのは嬉しいけど、やっぱ気にしなくていいよ」





「(は?話が全く読めないんですけど・・・)」



ハテナマークを浮かべながら走っているうちに自分のクラスが見えた。


レッツオアシス!!


ラストスパートは全力でMax。



コンナ変人に追いつかれてたまるか!!



ガラガラガチャ


なんとか奴を出し抜いて、


自分の教室に入って、
ドア&鍵を閉める。



教師はまだいない。


セーフ・・・・!!


「あんた、朝から騒がしいわね・・・。」


うわー。やっぱ普通っていいね!
ミキちゃんが天使に見えるー。



「・・・つ、つっかれたーぁ。」


私は肩を揺らして息をする。


初めてこんなに本気で
走ったかもしれない。


「チョ、ちょっとー大丈夫??」


「・・・ん。」


親よりも、

本気で、

心配してくれるミキちゃんは、

最高だと思います。



・・・・ん?


「いやぁ・・・。

さっすが俺が惚れた女の子。

速いったらありゃしないネ・・・。」




「は・・・・・・・・・・??」


ミキちゃんにしては
可愛くない声に私は顔をあげた。