あの時、


私はチュッパチャップスだけ


受け取って


逃げた。





少年はやっぱり無表情。



それでも
脱力した声で、
「おーい」と
呼び止めようとしたけれど、


私は逃げ足だけは早い。
ちなみに短距離専門だ。


私はダッシュで家まで
逃げ切ったわけです。




「誰よ。アイツは。」

誰よ・・・つったら変人だ。
それしかない。


キャッチフレーズは
『変人王子』しかないだろう。




あんなんだが、


私にとって



あの≪惚れた≫が



人生初の告白だったわけで・・・。






嗚呼、
ムショウに
悲しくなってきた。



ミキちゃんが乗り移ったかのようだ。




私はベッドの上で
クルリと丸くなって
Ipodの音量を最大にした。


耳が悪くなろうが
どうだっていい。



むしろ何も聞こえなければいい。
涙が滲みそうだ。





初告白が初めてあった
あの変人王子なんて・・・。



いや・・・、

変人だろうが、
顔がよかろうが、
そんなことが問題じゃない。




あんな告白は


絶対に騙しだ。

詐欺だ。




私は男の子に理想はなかった。
カッコよくなくていい。
ただ自分をスキでいてくれればいい。



王子も別に求めてはなかった。
恋しなくても生きてけるし・・・。
きっと恋なんて来る時は自然と来るもんだ。




だけど、
それでも、



私だって女だから、


男に理想はなくても
恋に理想はある。




とりあえず、
偽物はいやだった。


偽物の≪スキ≫
偽物の≪告白≫
偽物の≪王子様≫



恋に関しての初めては
全部本物がよかった。




本物の恋愛に憧れてた。
それが普通だと思っていた。




あの変態偽物王子は、
私の純情を踏みにじった。



マジで。



ラフメイカーでも、
なんでもあらわれてくれッッ!!