『ハァ、ハァハァ、やっと着いた。って、一平くん?』

教室では、窓際の席で一平くんが泣いていた。

『一平くん?泣いて、る?よね?どうしたらいいかな、あ、ハンカチ!ハンカチ貸すよ!え?大丈夫?なんか飲み物とかいる?』

男子が泣いているのを初めてみた私は動揺してしまった。

『ハハハッ。田中さん動揺しすぎ、ごめんね。ビックリさせて。飲み物いらないけどハンカチ貸して?』

泣き笑いながら一平くんが答えた。

『ハイっ!どうぞ!ってか大丈夫?私でよかったら話し聞くけど。』

『じゃあ聞いてもらおうかな、田中さんとこうやってちゃんと話するの初めてかもしれないね。』

『初めてかもしれない人だからこそ、話せることってあるじゃん?』

『そだね。じゃあ話しちゃうわ。なんかさー、俺にとっては女の子と付き合うことって結構重要なことだったんだけどさ、理香にとってはどうでもいいことだったのかなーって。