『これから言うこと聞いても、
俺のこと、信じててくれる?』

いつもより真剣な顔で一平くんが言う。

『うん。』

迷わない。一平くんを信じて。

『あの日、理香から、出掛けないかって
連絡きて」、正直、悪い気はしなかった。
ぶっちゃけ、あのショッピングモール
のときは、まだ理香に、惹かれてた自分が
いた。だけど、一緒に買い物して、
気がついたんだ。なんか違うって。
買い物の荷物とかも、男に持ってもらう
のが、当然で、ご飯の、お会計も
払おうとするそぶりもなくって、
もともと、払おうと思ってたから、
ぜんぜんいいんだけど、ずうずうしいなって。
そしたら急に、俺、こんな女のどこが好き
だったんだ?顔か?ってね、
それで、田中さんと森山さん見つけた
とたん、急に腕つかんで、
ブスブス言うんだよ。
俺もう、カッチ-ンときて
俺、一番ブスなのはお前だ。
って言って帰ろうとしたんだ。
そしたら、理香から、いろいろ
話聞かされて、まぁ、内容は
言わないって約束だから、
ちゃんと、約束は守るけど、
理香にも、いろいろあるみたいで
その日は、それで終わり。
なんもない。信じてくれる?』