『田中さん、ごめん、立てる?』

足に激痛が走る。
痛い、

『田中さん、俺の背中に乗って。
少し恥ずかしいかもだけど、
ベンチに座って、ゆっくり話そう。』

一平くんにおんぶされて、ベンチ
まで行く。

今度こそ。

『一平くん?ま、まだヤマリカのこと、
好き?』

やっと、き、聞けた。

『嫌い、ってゆったら嘘になったしまう。
やっぱり、初恋、っていうのもあるし。
でもね、今は、好きな人っていうか、
大事にしたいって、思える人ができたんだ。
田中さん、俺、田中さんのこと、
一生大事にしていきたい。
俺の初めて手をつなぐ、とか、
初めて放課後デート、とかは、理香に
あげちゃったけど、田中さんの初めてを、
全部、全部、俺にください。
俺と、付き合ってください。』