一平くん、息きれてる。
走ってきてくれたんだ。
よし、もう、逃げない。
伝えなきゃ。

『一平くん!あのね、』

『話はあとでいいから、とりあえず
ついてこい!』

一平くんに腕をつかまれて、
強引にぴっぱられた。


こ、転んじゃう、、、

そう思った瞬間、

脇あたりを支えられる、だ、誰?

『いっつー』

足首を少しひねってしまったけど、
松木さんが支えてくれなかったら
もっとひどかっただろう。

『田中さん、大丈夫?ごめん、俺のせいで。』


『おい。一平!
レンレンが話したいことある、
って言ってんだからそんくらい
聞いてやれよ。俺、これから仕事だから。
じゃあね、レンレン!これ、プレゼント』

私に紙を渡すと車にのって帰ってしまった。