『あ、すいません。』
見上げると、
『あ!松木はやt・・・うグ』
『しー!静かに!君、泣いてるね。
話、聞いてあげるから車おいで。』
『は、はい。』
男の人の車に乗るのは抵抗が
あったけれど、今は、一平くんと
離れたい、という思いが強かった。
『何で泣いてるのぉ?
彼氏にでも泣かされた?』
『彼氏なんかいません。今まで一度も!』
ハハ、気ぃ強いねぇ。
今まで一度も?
そりゃ天然記念物だ。
じゃあ、ファーストキッスも
まだなわけ?いいね~、世界遺産。
なんて言って馬鹿にするから
二人で、言い合ってた。