『はぁ、』

蘭には悪いけど、あのまま家へ帰ってしまった。
服、もったいなかったかな?
でも、今度出かける時にでも着ようかな。

♪着信音~

携帯から軽快な音楽が鳴る。
誰だろう、蘭かな。

「先崎一平」

うわ、一平くん。。。

“明日はK駅前に、11時ね!映画楽しみだ。”

なんだよ、一平くん、ヤマリカに怒られちゃうよ。
悩んだけれど、結局返信もせずに次の日になってしまった。

はあ、昨日、蘭に選んでもらった服を
きてみたけど、なんか違う、昨日と違う。

『や~めた』

結局いつものジーパンで、待ち合わせ場所に
ついてしまった。
一平くんは、まだ来ていない。

11時を少し過ぎたころ、

『ごめん、待った?』

待ったよ、待った。一平くんが
誘ったのにね、

『待った。』

私はなんでこんなに嫌われるようなこと
言ってしまうのだろう。

いや、いいよね、好きじゃないし。


好きじゃ、ない、し。