入社式が終わって、皆ぞろぞろ動く。

暑いったらない。


あたしが軽くシャツをバタつかせると、一人の男が近寄ってきた。気持ち悪くて数歩後ずさる。

「!?」


しまった。

あたしがずれた先は、ちょうど陰になって皆から見えなくなる場所だった。


「キミ、かわいいね…。俺と付き合わない?」