「よかったぁ~。また帰るって言い出すかと思った。じゃあ、そうしてね。おやすみぃ…」


愛梨ちゃんは嬉しそうにそう言うと、パタパタと足音を立てて去って行った。


…なんで俺なんかに優しくしてくれんのかな。


いっぱい抱き着いたし、結構嫌がってたじゃん?


それでも…そうしてくれるってのは、


俺みたいなヤツを放っとけない、性分なんだろうな…。


誰にでも優しいっていうのは、


ある意味、凶器。






『今日話せて一番楽しかったのは誰か。また明日会いたい人は誰なのか。目を閉じて、すぐに浮かぶのは…』


愛梨ちゃんが、今日保健室で言ってた言葉を思い出す。


それと同時に、俺の瞼に焼き付いてるのは、愛梨ちゃんの驚いた顏や、笑ってる顏。


ホントに表情豊かで、いつも惹きつけられる。






何だよ…マジで、好きになっちゃいそーじゃん…。